好きなものを好きな分だけ

『ラストマイル』の初見感想です。
BL要素なし。



今作では筧まりかに心をガシィ！　とされました。
彼女は警察に捕まってもきっと「人を傷つけるつもりはなかった」と言うのだろう。
「デリファスに復讐したかった」「ベルトコンベアーを止めたかった」「そのために爆弾を仕掛けた」
と認めても。

彼女の反抗動機は簡単に言ってしまえば『恋人の山﨑佑にできなかったことを成し遂げる』ことだろう。
・(ブラックフライデーが怖いから)ベルトコンベアーを止めること
・楽になること(それが『自らを殺すこと』になってしまっていた)
だから彼女は成し遂げられたのだろう。誰も救われないがそこには美学があったと思う。

できれば、
・幸せになること
(山﨑は快適な環境で働くこと、まりかは山﨑と結婚すること)
もあってほしかったけど、生きることができなくなっている人に幸せを見つけるのは難しいからね。

エレナの、
「答えはロッカーの中にあったのに！」
の意味はX(Twitter)の感想を読んでわかりました。
「(筧まりかが知りたがっていた、山﨑の飛び降りた理由はデリファスなのか婚約者の自分なのかの)答えはロッカーの中にあったのに！」
なのね。
5年前からずっと現場の偉い人の中でバトンリレーは行われていたけれど、決して外部の人間には渡されることのなかった飛び降り動機。
つらいな。

炎のに焼かれて、爆弾を爆発させるあの美しさ。
2時間映画の本気を見た。テレビではできない恐ろしい画だった。
ずっと脳裏に焼き付いている。

まだ『がらくた』を覚えてないので(映画館では泣きそうだったけど物覚え悪いんだよね)、『Lemon』を聴いて「筧まりかーー！！」「山﨑佑ーー！！」となってます。脳内再生余裕なので昼間突然泣き出しそうになる。

この映画は誰に感情移入するか、すごく分かれると思う。
メンタルをやられたことがある人は山﨑やエレナ、メンタルやられた人を救えず自分もメンタルやられてしまった人は筧まりか、日本企業の悪いところを煮詰めたところから逃げることができた人は孔、職人気質・店を畳んだことがある人はワタルさん(漢字わかってなくてごめん)、後ろめたいことがある中企業の歯車となって上り詰めている人は五十嵐。外と上と下に揉まれてる部長クラスの人は八木さん。派遣やパートの人たちはブルーパスの人。

私に何かできることはないだろうかと考える映画でした。
送料払ってもいいんだけどドライバーの賃金にならないんだろうなとわかるからイライラするよね。
だからといって宅配便を使わないのは違うと思うから、再配達してもらわないで済むように営業所留めを積極的に使っていこうと思った。

ワタルさんの洗濯機も感動した。
見事な伏線回収だった。爆弾が爆発するぞ！　と盛り上がって、ずっとやさぐれてたワタルさんが活躍する！　ヒーローとなりえた瞬間。
企業名が「HINOMOTO」っていうのもいい。「日ノ本」じゃん。誇り高い。
「いい製品をお使いですね」
「まだ使えます？」
報われた思いだろうな。

ラストで羊の安眠枕を届けることで、通販サイトや羊急便の「救い」も描いてて、見事なハッピーエンドだった。

エレナさん眠れてよかったね。これで簡単に不眠症が解決、ってわけにはいかないだろうけど、それでも次起きたとき、『眠れた』ことに安心するだろうな。


『アンナチュラル』のキャラが生きていて嬉しかった！
結構終盤までミコトの検死シーンなかったから、「あれ？　これだけかな？」と思ってたけどがっつりやってくれて満足！
ネットで白井君が出てたことを知り、感動したよね。
そうか、彼も自身の人生を生きていたんだね。
命のバトン(メディカル便)を久部君に渡せてよかった。
これからも『アンナチュラル』のメンバーがそれぞれの人生を歩んでくれることを祈ります。

『MIU』もリアタイ履修してたので「おっ！」となりました。
桔梗さん美人。でも美人って言ったらいけない御方。
私は『MIU』にBLを感じず、コンビにきゃっきゃしてるタイプです。
楽しそうに生きててよかった！


あとね、地元がロケ地に選ばれててびっくりしました！
ヤッター聖地巡礼できちゃう！