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好きなものを好きな分だけ

成人済腐。萩松/降新・安コ。ハピエン大好きなメリバ脳。字をもそもそ書きます。140字に要約する能力と検索避け文字列がしんどいため長文用にブログ作りました(一括metaタグ入れてあります)

ハロ嫁後の安コ・降新短編

ハロ嫁公開の年に書いた短いお話。安コと降新。

当時pixivしかアカウントなくて置き場所に困って、そのままどこにも投稿してませんでした。そのうち原作でハロ嫁の後日談が書かれてしまいお蔵入り。
でもハイウェイが公開された記念に金ローでもまた脚光を浴びたので、もうここしかないっ! と載せます。

『七年前の話、ポアロにて』(安コ)

「君は七年前を随分昔のことだと言ったが」
 かちゃかちゃと下げた皿を洗っている安室さんが語り始める。君何歳なんだいとかツッコまれるんだろうかやべえ。辞するため食後のアイスコーヒーを急ピッチで吸い上げる。
「七年前というとついこの前なんだよ」
「……へー」
 ズゴゴッと氷水を吸って、適当に返事をすると、真剣に聞いてないねと安室さんがジト目になる。いやこれ真剣に聞く話なんだろうか。
「大人になるとね、時の流れが体感速度を上回るんだよ。そうだな、二十五を過ぎた頃からは顕著な気がする。数年前のことを『そういえばこの前』と思い出すようになる」
「……なるほど?」
「高校生の君に言ってもわからないと思うが」
「僕小学生だよぉ?」
「ふと最近のことのように高校生の頃を思い出したが、それは十年以上も前のことだったんだと気づいた時の絶望は忘れられない」
 カウンター台に手を組んで額を載せてさめざめとため息を吐く齢二十九の男性に、どうしたもんかとこちらも嘆息し、カウンター越しにとりあえず頭を撫でてやった。

2022/07/11


『七年前の話、キッチンにて』 (降新)

「君は七年前を随分昔のことだと言ったが」
 かちゃかちゃと下げた皿を洗っている俺に零さんが語り始める。何か以前も同じこと聞かれなかったか。ついにボケたかとチラリと見ると、冷蔵庫から水出しコーヒーを取り出すところだった。
「さすがに生まれたばかりの頃を思い出すのは無理があるんじゃないか」
「ふぐッ」
 危うく皿を落とすところだった。泡で滑ったことにしてもいいが、今の状況ではどう見ても零さんのツッコミに動揺しての結果になってしまう、言い訳にならない。
「君あのとき素だったよね」
「……どうでしたかね」
「僕だったからいいけど、危機管理能力ガバガバ過ぎやしないかい?」
「自然体で思い出せたってことでいいじゃないっスか……」
 それだけ記憶の中で萩原さんは生きてるんだってことで。綺麗な話にまとめようとすると、コトンと保存用ポットをその場に置き、ジト目で見てくる。
「萩原だけズルい……僕のことは覚えてくれなかったくせに……」
「しゃーねーだろ水道管破裂のほうが印象強いんだから!」
「僕は水も滴る美少年がいると感動したのに……」
「その感想抱いてる時点で『ズルい』と言う資格なくなってるからな!」
「小学生だった君にはわからないかもしれないが、干支一周してしまう年下の少年を美しいと表現するのは相当なものだからな?」
 ダメだ会話する気ねぇわこの人。皿を拭きあげてとっととリビングに引き上げる。零さんはアイスコーヒーを二人分注いで持ってきてテーブルに置くと、俺の後ろに座った。ツッコミをしたかったのか嫉妬してるのかはっきりして欲しい。抱え込まれて肩口に顔を埋めてくるので、鳥の子色の髪をくしゃくしゃ撫でてやった。

2022/07/16
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